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男声の特質シリーズ第(男声のサウンドスペクトラム的特質について 男声の特質ーその1; ビブラートの性質と倍数波による重層的和音と現代音階の不協和音について その2: 和声とビブラートについて 男声歌唱のオーディオ再生について 男声歌唱のレコーディングにおける留意点 歌唱発声における物理的・身体的要因-進化論的考察 音階移動速度と身体の共鳴空間および部屋の残響時間の関係 男声歌唱のレコーディングにおける留意点-その2:最大音量 男性の低音限界発声について 男性の最大声量とスペクトルの歌唱言語による違い 11 男性の身体共鳴周波数と共振支配による発声波形の量子化と声量の関係の解析   声帯振動と非声帯振動の比較と歌声 男性の超広帯域発声ーバスとテノール声区の連結 バスとテノール連結声区の声洞の物理サイズの計算)章

極低音および可聴周波数以下での男性の声の共鳴構造

これまでにも男性の発する超低音や可聴周波数以下の声の性質について取り上げてきましたが、ここでは、その共鳴構造調べ、またピアノの低音弦の音との比較もしてみました。 音域は、おそらく音楽としては使われていない領域で、B1以下の帯域です。  

図-1  音源:MP3 HiRes
出だしは、G2で、最初の極低音への降下直前は、F2で、その後しばらく極低音を保ったのち、G2に戻っています。 その後、可聴周波数以下に落として(G#-1付近:赤米印)しばらくしてから、通常の音階、G2にもどして、F3まで上げ、またD2程度に落として終わっています。 トータルで27秒間の連続発声になります。 連続発声したのは、充分な声門閉鎖による発声(息もれ音の少ない発声)を確保するためで、最後はまだ10秒以上の余裕を持って終わっています(完全に息がとまるまでは60秒くらい:データー有り)。 G2での発声強度は90dB程度、G0では75dB程度です。最後のほうの通常音階では、軽い発声で、F3で97dBくらいです。 ここで、発声強度は、正弦波ですと、SPLと一致しますが、パルス波の場合は、一致しません。 この周波数帯域では、F#系の共鳴があるようです。 可聴周波数以下の発声では、聴覚では基本波はわかりませんが体に振動を感じます。録音装置の周波数特性で20Hz以下は測定の意味はあまりないですが、減衰振動波の大きさから、同じくらいの発声強度と思われます。 土管をゴムハンマーでたたいたような感じですね。 自由振動を測るには丁度いい感じです。

図-2. 男性の発する極低音における共鳴波形
図-1のF#0(下赤矢印で示した開始7秒後)での発声の波形を拡大したのが、図-2Aです。 そのうち、2つ分の周期をさらに拡大してBに示します。 周波数は23Hzで、振幅強度は75dB程度の減衰振動の規則的な繰り返しが見られます。 拡大しますと、短い周期の振動が単位となっており、この波形周期からこの短周期は825Hz程度と計算されました。 これが、振動共鳴系の減衰振動に当たると思われます。
  この発声波形をピアノの低音弦(A0)の波形Cと比較してみました。ピアノの弦の自由振動は連続的ですが、あまり安定ではなく、また多くの高調波を含む波形であることがわかります。 それに比べると人間の声の波形のほうがピアノよりも単純で規則性がはっきりわかりきれいに見えるのは不思議です。 ピアノの低音弦の音は濁って不安定に聞こえます。

図-3
この図は、図-1の発声のうち開始12秒後の基本波が可聴周波数限界より低い声で、周波数は13Hz(A-1)です。 この高さは図-2Cのピアノの最低音階(A0)よりさらに一オクターブ下に当たります。 当然ですが、録音装置も16Hz以下の正弦波成分は、ほとんど記録されていないと思いますので、微分波形を示していると考えられますが、減衰振動波の周波数は、波形の周期で測定すると、正弦波に近くてさきのF#0と同じくらいの769Hzです。 土管をたたいたようなビンビンという響きが発声中に聴こえますが、ピアノのように濁った感じではないのは、そのせいかもしれません。 この周波数でも、体に響いた感じの振動が伴うので、おそらく胸郭共鳴だと推定しています。ただ、再生装置でどの程度再現されているかは難しいところです。 

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