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男声の特質シリーズ第(男声のサウンドスペクトラム的特質について 男声の特質ーその1; ビブラートの性質と倍数波による重層的和音と現代音階の不協和音について その2: 和声とビブラートについて 男声歌唱のオーディオ再生について 男声歌唱のレコーディングにおける留意点 歌唱発声における物理的・身体的要因-進化論的考察 音階移動速度と身体の共鳴空間および部屋の残響時間の関係 男声歌唱のレコーディングにおける留意点-その2:最大音量 男性の低音限界発声について 男性の最大声量とスペクトルの歌唱言語による違い 11 男性の身体共鳴周波数と共振支配による発声波形の量子化と声量の関係の解析   声帯振動と非声帯振動の比較と歌声 男性の超広帯域発声ーバスとテノール声区の連結 バスとテノール連結声区の声洞の物理サイズの計算

男声の特質-アオマツムシの鳴き声はなぜ美しく聞こえるのか-その2:男声の量子化と和声の構成   

その1−和声とビブラートへ戻る 

-ある量子科学的アプローチ-(量子発声学)

 先回、アオマツムシの鳴き声は隣接した音階で構成されているにもかかわらず、なぜ不協和音に聞こえないかという理由を考察しました。 人間の声やアオマツムシの鳴き声になぜうなりのようなしかし不協和音とは異なるビブラートがかかっているのか不思議ですね。その中で、ビブラート(音の震え)が重要な要素のひとつだといいました。 では、ビブラートと不協和音はどこがちがうのだろうか。 ここでは、不協和音と和音の科学的考察を行い、自然界の音源の分析によって音楽の構成要素を理解することを目指します。  今まで示してきたように、人間の声や自然界の音源は基本波から高次の倍数波で構成されているが、それはいったい人間が音を”理解”するのにどういう意味を持っているのかを解明しようというわけです。  女声の合成についても基本的な方法を提示しています。

以下に前章(第2章)からの続きの掲載で図番号は前章からの続きになっています。 この章での音源の録音や分析について: レコーディング方法

第1節 − 男声の歌声における量子化現象

 図ー7A  E6における量子化された発声波形

第一章 実際の発声波形例にも掲載してある図ですが、実際の歌唱における発声波形の同様な拡大図です。 この場合ではE6の発声では、安定的に4つに分割されていることがわかります。


 図ー7B  E5の発声における量子化された波形

左のE5のこの発声波形では、6つに分割されているのがわかります。
  


図-7C 低音(F2)での発声波形

男声低音の発声波形(F2)では、この場合、7つに分割されてたパルス状の減衰波形の繰り返しのようになっていますが、これが男声低音での特徴です。

第2節ー男声の持つ重層的和声の合成実験

  さて、いよいよ核心です。  ここで、基本波なしで、倍数波相当の周波数の音源の混合実験をしてみましょう。 まず、110Hzを基本波の例としてその5倍波と6倍を混合してみます。 周波数でいうと、550Hzと660Hzで、音階では、C#5とE5です。 これは、不協和音でしょう。 そこで、その波形を調べ次に示しました。 以下の図ー8と9に示された波形に対応する音源のMP3も付けました。 まず550Hz (C#5)の単音に始まり、660Hz (E5)、770Hz (F#*)、880Hz (A4)が同じ大きさで順次重層され、最後に440Hzが20%の強度で追加されます。 上の図ー3Cも参照下さい。  結論(考察)を早く読みたい方はこちら結論(考察)を早く読みたい方はこちら

図ー8 5倍波と6倍波による不協和音

上の図は5倍波と6倍波の混合実験です。 縦軸が振幅、横軸が時間を表します。

 

まずは、第一段階です。 予想通り、前章(第2章)の冒頭の図に示したとおりの見事な不協和音のパターンです。550Hzと660Hzなので、660-550=110Hzのビートが発生して、不快なビブラートとなります。

    次にこれに6倍波(660Hz)、7倍波(770Hz)を順次足して、この不協和音の上塗りをしてみました。 550Hz 660Hz 770Hz、そして880Hzです。 途中の重ね合わせ段階の結果は省略して結論です。 次の図-9Aを見て下さい。

 それと、もうひとつ大事なことは、各構成波の振幅や位相などバランスを調整すれば男声の歌声を容易に合成するこができ、しかも、基本波はいらないということも示しています。  これは、再生系の低周波特性はそれほど高い必要がないということです。 

図ー9A 倍数波の重層による4元和声の波形

 

左の図(図-9A)の結果を見ると、4倍、5倍、6倍、および7倍波の4元混合では、想定基本波の110Hzを周期とした安定した繰り返し波形を示しておりで不協和音のように見えませんね。 ここで、注目すべきは、この実験では、110Hzの周波数を全く混ぜていないにも関わらず、110Hzの周期に支配されていることであり、想定倍数波の差による”基本周波数”の”自動生成生”が起こっていることです。 これは、5球スーパー受信器なんて作ったことのある方は、あっあれだ!と思い出すでしょう。 そうです、中間周波数の発生と同じ原理です。
  それに、これ、どっかでみたことのある波形に似てますね。 見事に7つに量子化していますね。 そうです、男声の低音の波形(上の図C)です。 波形には、まぜる波の並び方(位相)の要素もあるので、波の形の分布にはバリエーションはでてきますが(下の図-10参照)、それは別にして、周期をはかってみると、110Hz相当(0.09090秒)で今回使った倍数の元数である110Hzにぴたりですね。 数学的には当然の話で6N-5N=NでN=110です。 550や660や770はお互いには割り切れませんが、実はその差のNである110では、加えたすべての周波数成分が割り切れてしまいます。 そこで、これにさらに220Hz (A3)を足してみましたが(スペクトルは図ー9B、波形図は省略)同様な結果でした。  冒頭に掲示した音源のMP3ファイルを聞いていただければわかると思いますが、最初の混合は不協和音かな?という感じですが、重ねていくと、次第に落ち着き、最後に220Hz A3を重ねて締めくくっています。 その最後の”ブー”に近い音が、基本波が110Hz(A2)での男声”あ”です。 この響きの積み方は聞いたことがある方もおられると思います。  私にも覚えがあるので、確認できれば掲載します。

 図ー9B 和声における仮想的基本波->Mp3

左図(図ー9B)は、4元和声(4=440Hz, 5=550Hz, 6=660Hz, 7=770Hzにさらに220Hzを重層した場合のスペクトルです。 ごらんのように、それでも110Hzの基本波は実在していませんが、倍数波のビートにより波形上で110Hzの”仮想基本波”が、演算的に(2つの周波数の差のうなりとして)生じている(原音スペクトルには現れない=実在要素を演算した結果である)ことがわかります。 男声の場合には、実在の成分であるため、図-3のようにスペクトル上にも現れます。 ここでの合成実験Aでは、Bの図の3000Hz付近に見られる男性の喉の共鳴は加えていません。

図ー10.  4元和声で位相(並び方)を変えた一例

この波形は、上述Cの男声低音、図ー17Cにさらに似てますね。

図ー11 女声と男声ビブラートの合成実験と実測との比較

女声と男声のビブラートの合成実験ここで、右の図でもうすこし込み入った実験をしてみました。 880Hz、900Hz、860Hzと20Hzのプラスマイナスとなるように足します。 すると、おおよそ女声ソプラノのビブラートが合成できました(実測は第2章図-1参照)。 

男声ビブラート(中音域)と合成ビブラートの比較ついで、770Hz、766Hz、774Hz、と4Hzプラスマイナスの周波数を足したのち、660Hz、550Hz、880Hzと110Hzきざみで足していきました。 男声のビブラートがおよそ再現できていますね。 

 これらの実験結果から示されることは、信号理論的にいえば、基本波(搬送波)を送らなくても原信号が復元できるということです。 ここでは、5倍波と6倍波のビートで1倍波の110Hzが発生し、これがこの音階での男声の基本波に相当します。 最後に4倍波である440Hz A4を足してますが、8倍波と4倍波のビート(=440Hz)ですでに内在的に発生しており、440Hzを追加することによっては特に大きな質的変化は感じにくいわけです。  そこで、気がつかれた方もいると思いますが、男声は女声よりTオクターブ低いにも関わらず、同じ伴奏音域(5線譜の範囲)で伴奏するのはなぜかという疑問に対する答えです。 すなわち、ピアノでは、中音以上では1倍と2倍波が主であるため、わざわざ男声と同じ音域を叩くと、すごく低い音程が重なって低い響きになるからで、なにも男性のプライド?のためではありません。 ピアノや女声は、1,2,3倍までなので、Tオクターブ低い男性の発声に換算すると、2,4,6倍となり、男声の和声構成とぴたり一致する上、ビートで1倍波の発生があるので、わざわざ低音キーを叩かなくても、自然にバランスがとれるし、問題のある男声7倍波でのビートを回避して和声を構成できるわけです。 結果的に、この合成により、男声の和声を補強する形になります。 また、ピアノの側の事情もあります。 ピアノの低音弦にいくにつれて、3倍以上の高次な倍数波が増えてきますから、うっかりするとピアノの音程の平均律自体に整合しない男声の7倍波などを増強する格好になって音がにごってしまい、ピアノの澄んだ響きが損なわれることになります。 わかりにくいかもしれませんが、ピアノの低音弦の倍数波は男声と同じ物理的共振で生じるので、中音から高音弦の音程と自己矛盾を起こすということです。

  また、ピアノにおいても、当たり前ですが、共鳴ポイントがあり、この場合は、200Hzくらであることもわかりますね。 ピアノでは、共鳴点は随分低いわけで、これは、単純にサイズの大きさです。 このように概観すると、男声の普通の歌声は、結構高い響きで、しかもかなりの音域をカバーしていることがわかると思います。男声声区の”内輪もめ”はさておいて、いずれにしても、声道共鳴の倍数波を勘案すると、他の章や解説・データーにもあるように、ピアノの音域を超えます。 バスーテノールの男声領域G2-F5では、それが顕著です。 ここで、バリトンがないのは、バリトンの声区は声道共鳴と胸郭共鳴の2つの量子化基点で特徴付けられた男声の基幹音域にあたり、バスとテノールでもバリトン領域は共通するからです。 最近ではバスとバリトンは区別しないことが割にありますが、依然、バスはテナーの曲を、テナーがバスの曲を原調で歌うと声が崩れるから”禁止”というのが現在のボーカルの世界です。 しかし、男声の実体が明らかになってくれば、そのうちテノールも区別する必要のない時代がくるかもしれません。 

  それとついでにピアノの悪口いってすいませんが、ピアノのC7から上は、スペクトル的に見るとはっきりいって澄んだ楽音になってませんね。周波数解析は掲示してませんが、やってみると雑音みたいな感じでどれが楽音なのかすぐには見分けられないです。 図-12のように下のほうにかけて顕著にトレーリングしています。 では、なぜ響いて聴こえるのか、それはピアノの200Hz付近の空洞共鳴のおかげです。 そういう意味では男声のC6-G8(第1章と第2章参照) のほうが、スカッと下が抜けていてピークの状態もずっとましです。 そんなこと言うとひどく叱られるのですが、事実です。 黒を見て、これ白だろ?って。

  独唱や合唱で、バスやバリトン、テノールといった”声区”の区分があたかも絶対的に存在するように理解されています。 しかし、こう見てくるとどうもそれは怪しいですね。 実際、ある欧米でのブラインド調査では、男性が歌う音域の高低によって、聴衆はバスだテナーだと感じ、同じ音を出したときに、これはバス歌手かテナー歌手かという識別はかならずしも当たらず、同じ声区の歌手でも、むしろ低い音程は”バス”、高いと”テナー”などと判別する傾向が強いという結果があります。 絶対的分類ではなく、いわば、歌手の印象上の”ブランド”にしか過ぎないというわけです。 ただ、低い声は響かないとか高い声はでないとか個人差はあります。 すなわち、歌唱における声区は楽譜上の分類にすぎず、歌手の本質的な生物学的な声域特性を言っているのではないという意味です。 このサイトでの解説や論説、歌唱は声区を無視していることは、音楽的にも決して不合理なものではないともいえます。 むしろ、声区を区別することは”先入観”というもの、あるいは悪いことばでいうと”レッテル貼り”程度なのかもしれませんね。 原調によるバス-テノール領域の連結バスーテノールの歌い分けの試み、 あるいは、”ベートーベンのトリック”などを参照下さい。

図ー12 ピアノの音源分析と男声との比較

ピアノの広い音域に渡るサウンドスペクトルと男声との比較おまけの図を追加しておきます。これまでは詳細な議論はしませんでしたが、アップライトピアノのドミソドの音源パターン(全音域:A0-C8)です。 後半の下降はA系列です。 右側に男声の広帯域のパターンの一部を簡単に比較してあります。 どこからが人間の声かわかりますね。 

ピアノの低音弦のサウンドスペクトラム解析と男声低音との比較

左の図(B.)はピアノの低音弦C1の音の周波数解析です。基本波32Hzよりも倍数波が高く6倍波がピークです。 男性の声のスペクトルに似ているようですが、ダラーとした音で締りがなくワウワウして不協和音のように聞こえますね。 ピアノの弦の振動は、質量の大きい物体(鋼線)の共振を利用するために、特に低音弦ではダンピングが極めて悪い(副振動を起こしたり振動がすぐに止まらない)のです。  

  ところで、オーケストラなどのように多種類の楽器が広い音域で和合する場合は、平均律にない倍数波音階まで考えた和声構成は、そう簡単ではないというかほぼ不可能ではないでしょうか。 ベートーベンは交響曲第九番の第4楽章に合唱を取り入れましたが、単にもの珍しさで作曲したのではなく、よく聴くと随所に男声の特質への配慮とともに新しい音楽への取り込みの発想が見られます。 そういったことができたのは、彼はもともと、歌手の系譜であったことがかなり貢献していると思います。現代の分析装置のない時代であることを考えると彼の偉大さをあらためて知ることになろうかと思います。 こういってみていくと和声とは、そして音楽とは、実在と非実在の音の演算的複合産物ということになります。

  秋の深まりとともに、随分議論が深まりましたが、共鳴音に関する実験の結果を提示し、最後に全体議論を展開しますので、あと少し辛抱して付き合っていただければと思います。

第4節 - 声洞における共鳴の性質

 図ー13. 歌唱における声道共鳴の抽出実験

 音源データー歌唱における声道共鳴の抽出実験   (音響実験データー集#0002

男性の高音域(テノール領域 C4-B4)歌唱における声道共鳴の抽出実験Aは、Bのようなリアルタイムサウンドスペクトラムを持つある曲の男声による歌唱の一節から、2000Hz以下の成分を除いたものです。 Bの元曲では、基本波として(いわゆる音程では)第4オクターブ(C4-B4)で歌われており、Dに代表的に示したように、1-7倍波による和音構成を持っています。 1倍と2倍の間の山は、声帯を駆動する息の音の共鳴で、音程に関係ないため無視して下さい。全体的に声帯を駆動する息により声帯が上下に揺動するビブラートにより幅がひろがっていますが、Dの例では、1,2,3、6倍のバランスのとれた和音の主音階と6倍波によりそうようにある5倍と7倍波で歌声が構成されていることがわかります。4倍波は声帯の周辺にあるくぼみの作用で消波されています。 図Eにおいては、E4の音ですので、2倍波のE5が胸郭共鳴点になり2倍波の強度が3倍くらいになっている(線が白色の最高強度を示す)ことを除けば、声道共鳴音の強度はやはり高いレベルです。  これによりわかることは、この声道共鳴においては、その帯域幅を持った振幅変調波 に近いということです。基本周波数がE4まで下がってくると、倍数波間の差が小さくなるため、現在の分解能のスペクトグラムでは、分離した3本にはなりません。

図ー14. 声道共鳴ピーク最大の音程での解析

音源データー歌唱における声道共鳴の抽出実験   (音響実験データー集#0002

声道共鳴最大の音程(A4付近)での声道共鳴の抽出実感
そこで、このスペクトラムのうち、最も声道共鳴のピークが高いA4についてさらに詳細に解析してみたのが、左図のAです。 この拡大図の領域では、規則的な長周期(約0.2秒)のビブラートが比較的不規則な短周期のビブラート(数十ミリ秒)から構成されていることがわかります。

男性の高音歌唱発声における声道共鳴最大領域(A4 )における声道共鳴音の抽出実験とその比率 上の図-14Aの音源記録から、2000Hz以下の倍数波を除去して残った部分が、左図Cに示した2700Hz付近の声道共鳴の3本のピークです。 その中央がE7で最も強いピークです。 残った成分の振幅にもBと同期した対称な振幅変調としてのビブラートが明瞭に観察されます。 ビブラートの大周期の区切り部分をさらに拡大したのが、図Eです。短周期のビブラートの開始と終端では形が異なっていることがよくわかります。

簡単に結論だけいえば、自由振動している振動体をなんらかの別の力で強制的に振動させてやればいいわけです。 すなわち非線形性を与えるわけです。 そのヒントは2あります。 ひとつは、息によって振動する声帯は直流的な息の流れにうかぶピンポン球みたいに上下振動を起こすのです。 いわば、ダイオードによって整流されてるようなもので、ゼロ点が移動する非線形の振動形態です。 これは揺動とよばれますが、数ヘルツから20ヘルツくらいのゆっくりした振動で、これが周波数変化(音階揺動)をともなう振幅変調性ビブラートとなると考えられます。  もうひとつは次の図にしめしたように声道共鳴に見られますが、共鳴空間の声帯以外の別の共鳴によって振動する声帯が他の力(別のベクトル)によって強制駆動される場合です。ここに2つの異なる波長の振動が加わりますと線形の自由振動ではなくなり(お互いに強制し合うため)一体化した振幅変調振動が発生する可能性があります。 実際、声道共鳴はたいて3本の検出するに十分に離れた奇数の共鳴成分が両側対象に分布する傾向にあり、その共鳴だけ抽出すると図Dのように大周期と小周期が組み合わされた見事な振幅変調波に なっていることがわかると思います。Eはその大周期の谷(くびれ)を中央に拡大表示しています。 前半と後半のビブラートの小周期の構成が違うことがわかります。 さらに、振幅が同じ位相で上下対象な変化をしていることと、前出の女声やアオマツムシのビブラートと似たパターンです。 実際にどんな感じなのかは以下に提示した音源ファイルを試聴してください。

声道共鳴抽出実験の音源ファイル:
1.声洞共鳴抽出実験ー元音源A4部分元音源A4部分  (図A-B)    
2. 声洞共鳴抽出実験ー抽出された声洞共鳴ー元音源A4部分声道共鳴抽出  (図C-E)

この部分周辺の音源ファイル(MP3)では、 1が当該音階部分(A4:442Hz)で、2は、1から2000Hz以下を除いたC-Eに該当する部分です。 振幅は調整していませんので、1と2の音源の大きさは同じスケールです。声道共鳴のみの場合でも振幅は全体の7割くらいあり、しかも、聴感の騒音感度が結構高いため聴いても同じくらいのうるささ(騒音レベル)に聞こえるので、男性の声道共鳴音はいかに大きいかがわかります。 また、この声道共鳴音は発声者にもよく聞こえるため、この音階で自身の声を調律することができます。 ここで示したE4の2倍波共鳴(胸郭共鳴)を利用しても声を調律することができます。これらの調律のポイント(Tuning point)は男声特有で、これによってそこそこの絶対音階が得られます

   つぎに、この声道共鳴の2倍波共振を利用して発声した結果を次の図ー15に示します。 ここでは、6140Hz (G8)が中央の周波数で、その周囲に寄り添うように5982−7385Hzの幅で極めて近接して数ピークが見られます。 波形は、Eにしめしたように正弦波に近いです。 不協和音かどうか、ビブラートを見てみましょう(D)。 アオマツムシやソプラノのビブラートに似ていますね。 さらに拡大すると(E)、短周期と長周期が組み合わさっていることがわかります。  実際にはどんな音でしょうか、聴いてみてください。 強度が低く、発声時間も短いので、認識困難かもしれませんが、不協和音のようには聞こえないと思います。

図ー15.  第2声道共鳴を使った超高音の発声、 G8

第2声道共鳴を使った超高音の発声、 G8実際にはどんな音でしょうか、聴いてみてください。

 

このタイプの高音の声は、笛(ホイッスル)の音のように聞こえることから、ホイッスルボイスとよばれます。 ホイッスルボイスは女性特有と思われていますが、このように男性でも出すことができます。このホイッスルボイスのより詳しい実験データーは次を参照して下さいー男性のホイッスルボイスとその周波数および音階。 さらに高い発声データ(A8)は”鳥型発声のサウンドスペクトルデータ#38”にあります。

考察

  うなりの場合は、単に異なる周波数の振動が線形(Sinの足し算)でまざっただけですから、常に2重になります。 ところがビブラートをもう少し詳しく解析していくと、それはAMラジオの電波と同じ原理で生じていることがわかります。

考察ー単に2つの周波数をまぜただけの波形

単に2つの周波数、この場合、オーディオ周波数と電波周波数(搬送波とよばれる)をまぜただけでは、AやEのようになるだけで、いつも2つの異なる周波数がまざってるだけですから、電波塔から飛ばすと周波数の高い搬送波だけが飛んでしまい、放送内容はなにも聞こえません。 これをオシログラフでみると”C"のように搬送波が1000Hzの周波数に乗っかってうねっているようにしかなりません。

 一方、AMラジオ波とは、“振幅変調波(Amplitude Modulated wave)”です。
オーディオ周波数と搬送波をダイオードや真空管などの非線形素子と共振コイルを通しますと、2つのことなる周波数がお互いに干渉しあって、新たに2つの周波数が生じます。 混ぜた2つの周波数の差の周波数、そして2つの周波数の和の周波数です。

振幅変調波(Amplitude Modulated wave)の模式スペクトル

 これをスペクトラム表示すると、単にまぜただけでは、左図Aのように2つの周波数が独立して存在しますが、真空管やダイオードを使って混合処理するとBのように搬送波の両側に和と差の周波数が寄り添うように対称に混じっているのがわかります。 搬送波が1メガヘルツで、オーディオ周波数が1000Hz(1kHz)だとしますと、それを中央として(fa)、それに寄り添うように999kHz(fa-fc)の下側バンドと1001KHz(fc+fa)の上側バンドの3つのバンドが観察されます。

振幅変調波系

その波形をオシログラフでみると、次に示したような波形に見えます2つの周波数が搬送波fcの対称ななめらかな振幅変動としてミラーイメージの位相で現れることになります。 これを電波塔に送ると、1MHzプラスマイナス1kHzの振幅が変化する電波として飛び、みなさんの受信機に届き検波してオーディオ部分だけを増幅して放送をきくわけです。

Beat Wave-うなりの波形これに対して単に混合しただけの場合の”Beat wave"では、周波数が近接してくると差の周波数成分が増大し“うなり”として検知されるようになります。 これが2つの周波数のビートで、不協和音の原因になります。 波形は振幅変調波と似ているようですが、よくみると、振幅は上下対称ではありますが、ゼロをクロスしておわんを伏せて並べたように変化しているところがうなりの特徴で、上半分または下半分で見ると不連続なパルス波であるということです。この不連続性が聴覚には不快に聴こえる原因のようです。 上半分と下半分で波がなめらかに対称に変化する振幅変調波ですと、不協和音に聴こえないのです。 声のビブラートや多くの生物の声がまさにこの形なので、我々の聴覚はこのどちらかを区別して知覚していることになります。 なぜかっていうのはなかなかわからないのですが、自然界の音が生物原因であるかないかの基本的知覚なのではないでしょうか。 たとえば地震や山崩れなどの天変地異の振動音とか生物原因でも動物の移動やぶつかり合う振動音は、複数の音がただまざり干渉するビート型が主体なのでしょう。 では、生物原因としては、私たちの声帯や昆虫の羽には真空管やダイオードやコイルやコンデンサー が詰まっているのでしょうか。 そんなはずはないですね。

   そういった難しい物理の原理のほかに気が付くことがありますね。 それは、生の声のビブラートは、規則性は認められるものの揺らぎが大きく、図ー1Aの不協和音のようには一定ではないということです。 同じように繰り返されると次第に不快に聞こえてくるものでも適当に刺激からの開放や変化があれば心地よく聞こえる(危険を感じない)のではないかということもあるかと思います。 特に高音部では、針金がびりついたような不協和音になる傾向があり、うなり周波数の間隔だけでは説明できません。 一方で、音階が近くとも、ファジイなビブラート、特にファジイさが周期的に繰り返されるという場合は、特に美しいと感じるのかもしれません。 また、7倍波の和声でも、平均律や自然音階では不協和音となりますが、完全倍数波音階では、不協和音にならないことも大事なことです。 

 このような何らかの音の基本要素、すなわち音階や倍数波を発生させ音楽として奏でるのが楽器ですが、前章でも述べたようにピアノとバイオリンの違いについて、倍数波の和声の観点からもう少し踏み込んでおきます。 ピアノは、単純な構成の音程を集合させて和声を作りあげていく楽器で、女声に似ているわけですが、バイオリンは少し違いますね。 もともと倍数波が多く、ここで述べたような5倍とか7倍とかとの重層も結構あるので、ピアノとは異なるかなでかたになるわけです。 どちらかというと、バイオリンは男声に似ており、平均律での演奏になにもこだわる必要がないフレットが設定されていないのは実はそういう意味があるのだろうと。 そういう自由さを持たせないと、高次の倍数波も含めたいいハーモニーが作れない宿命があるわけです。 そのように自由に音を合わせることによってピアノでは表現できない感動的なハーモニーが作り出せるわけです。 ところで、そのバイオリン系の楽器は、その形といい、倍音構成といい人間の声をめざしたようなところがありますが、表現力に大きな限界があります。 それは、奏でる音の倍音成分の構成や音域をそう自由には変えられない、すなわち特定の強い音色があるということですが、人間の声の場合は、特に男声においては母音や音域などいろいろな要素を変えることによって、多様な音域や倍音構成とか音色を作り出す芸当ができるのにくらべると、どうがんばっても人間の声にはおよばない、”あすなろ”の楽器であるといえるのではないでしょうか。  

 こういったことなので、カラオケのような”平均律による器楽演奏で広い音域が固められた”伴奏の真っ只中では、典型的な男声は異質な存在になるということは理解しておいたほうがいいでしょう。 また、我々が母音を発声し、それを認識するのは、ここで説明したような倍数波のピークの組み合わせです。 その組み合わせのうち、必要なのは、4-5本ですが、男声の場合、基本波を取り除いても母音の認識に影響しないことが知られています。 これは、ここで証明したような高次倍数波があれば、自動的に演算され、うなりとして発生し、聴覚で(ビブラートのような形で基本波周波数として認識されるからではないでしょうか。 さらに、男声の発する低音の基本波の強度は高次倍数波に比べ強度が10分の1以下であることもある上、その音域に対する人間の聴覚の感度は数分の1から10分の1以下なので、総合すると実際にどれほど実在音源として認識されているかはなはだ疑問ですね。 この聴覚補正について詳しくは騒音計の聴覚補正A特性を参照して下さい。 すなわち男声の低い基本波は聴覚での認識に不要なのではなくて、音源としては必要なく、聞こえているのは実は強度の高い倍数波のビートの結果合成された”幻のビブラート”ということかも知れません。 だからといって、男声に基本波はいらないかというとそうではなく、この基本波がないと、その倍数波が出来ないからです。 聴覚での認識も含め、ある意味、シングルサイドバンド通信の技術の側面があるわけです。 そういう風に考察をすすめていくと、男声の低音は、高次倍数波のビートによって聴覚上は上書きされ、実際よりもはるかに大きく響いているようなのです。 まさに魔法ですね。 女声の場合はピアノのように2倍4倍程度の偶数次で、透明な響きの反面、3倍5倍7倍などの奇数次が少ないので、この演算に必要な隣接した次数(隣あった偶数と奇数)の高次倍数波が足りず、十分なビートが発生しないため(魔法が使えない!)、基本波を含めてすべての主要ピークの実在が母音や個人や性認識に必要です。 言い換えると失われた基本波を回復できないわけです。 結局は、男女とも声の高さは、実は他の哺乳動物と同様に、ほとんど同じなんだということです。 録音再生技術上は、男声の低い成分は再生されなくてもそれなりに聞こえることは知られていて、低い音は再生されない携帯電話のような装置でも相手を認識して話せることでもわかりますね。 考えようによっては、男女とも男性の魔法(自分もだまされているが)、すなわちほとんど聞こえないような声を響かせる話術に惑わされているのでしょうか。 いずれにせよ、 現状では、人工音声による歌唱で、女声がやりやすいのは、歌唱の際の声が器楽的で和声構造が単純で器楽伴奏と適合するからに他ならず、重厚な男声の歌唱はなかなか作りにくいのは、ここで示したようなことが充分に理解され解明されていないあるいは反映することが困難なことによるとも思われます。

さて、最後にもうひとつ大事なことがあります。 オーディオを再生する装置の再生可能周波数とビブラートの関係です。 一般的にはオーディオ機器の再生周波数は人間が聞くことができる周波数範囲に限定されます。 すなわち20-20000Hzです。 よく使われる小型の“ブックシェルフ”タイプでは80Hz以下は急激に落ちます。 そこで、疑問がでてくるでしょう。 これまで男声ビブラートは2.5Hzだとか10Hzとかいう“超低周波”で示してきました。 では、なぜこれらは普通に再生されるのでしょうか。 その鍵は、ビブラートが振幅変調波であることにあります。 振幅変調波とは、基本的にその主たる周波数(搬送波)の周波数特性で振る舞います。ですから、電波の場合は搬送波とともに飛ぶわけです。 すなわち、400Hzにかかった5Hzのビブラートでも395、400、および405Hzの周波数信号として振る舞いますから、問題なく再生されるわけです。 別の言い方をすれば400Hzの周波数の信号が大きくなったり小さくなったりするわけですから、ボリュームコントロールをすばやく回したのとあまり変わらないということにもなります。 もし、ボリュームコントロールが再生周波数帯域に依存しているなら、ボリュームコンとロールではうまく音量が変えられないという奇妙なことになりますが、実際は、逆でゆっくり回すほど(周波数は無限に小さくなる)音量は正確に変えることができ、さきのスピーカの再生周波数とは全く逆の現象がおきることがわかります。 結論として周波数と振幅は信号伝達原理(関数)が異なるということがわかります。 この特性は、電気的にいうとサーボ特性または過度特性に当たりますので、別のスペックになります。 スピーカーのダンピングファクターだとかパワーアンプの出力インピーダンスだとか、出力レベルだとかそういうものです。 男声ビブラートは、アンプやスピーカーの小信号あるいは正弦波で測定される再生装置の特性の再生可能下限周波数よりずっと低いうえ振幅や立ち上がりも大きく(出力変化が大きい)本当にアンプ・スピーカー泣かせで、へたな装置できくと、ぶれたり共振したり不規則に追随したりして変な振動を起こしてちゃんと聞こえないのです。 次にも述べますが、低音から中音を受け持つ(80−4000Hz)大口径ピーカーの分割振動との相性やクロスオーバー周波数の影響なんかも当然出てきます。 というわけで、スピーカーやアンプを変えたときもっともはっきりわかる違いのひとつにアカペラの男声独唱ですね。 これがちゃんと再生できないセットはよくないということです。

  男声と女声がここまで異なるとは、男声は女声より1オクターブ低いだけと思っている方にとっては、意外なことかもしれませんが、解剖生理学的には、男性は声帯のサイズが大きいだけではなく声帯全面を使って発声するが、女性は、一部を使って発声するということに起因しています。 このことは、実は重要で、男性では、より広い面積が発声振動に関わるため、5-7個程度の分割振動を起こしやすい一方で、女性は振動面積が少ない分、分割が単純でせいぜい2−4くらいまでということだと考えられます。 女性はその分、話をすることや歌うことが得意という原因のひとつだろうともいえます。 一方で、男性は声が重層的構成な分、情報伝達力は高いということになります。 オーディオでいえば、低音用の振動版の面積の広いスピーカーは、高音用のものにくらべ、分割振動を起こしやすいのと同じような原理です。 そこで、持ち上がる疑問は、なぜ進化の過程で人間の場合に雄、雌の間でこうも発声の高さや音源構造が違っているのかということです。 他の哺乳類では、声だけで雄雌を聞き分けることは困難ですが、人間の場合は、暗闇でも距離があっても、男女を間違えることはまず絶対にないといってもいいぐらいです。 すなわち、男女の声の違いは、生物学的には、繁殖のために進化したということになるわけです。 歌にも恋の歌が圧倒的に多いのは当然その反映ですね。世界では、”日本では18禁”の歌がなんと多いことか。 シューベルトの世界的名歌集である、”美しき水車小屋の娘”は、ほぼ全曲が、日本の学校では教えられないといってもいいような内容です。 だから、日本では、むしろ終末期の歌である、”冬の旅”のほうが有名なのだということなのだと思います。
  以上、ここで解明・論述したことは、単なる音楽的”遊び”にとどまらず、声の生理学をはじめ人工音声の合成や歌唱、あるいは人工声帯の設計などにも役立つはずだということを付け加えておきます。

  1. 録音方法

       歌集のレコーディング(録音)方法について  男声アカペラ歌唱再生に適した機器

  2. 男声の特質シリーズ第(男声のサウンドスペクトラム的特質について 男声の特質ーその1; ビブラートの性質と倍数波による重層的和音と現代音階の不協和音について その2: 和声とビブラートについて 男声歌唱のオーディオ再生について 男声歌唱のレコーディングにおける留意点 歌唱発声における物理的・身体的要因-進化論的考察 音階移動速度と身体の共鳴空間および部屋の残響時間の関係 男声歌唱のレコーディングにおける留意点-その2:最大音量 男性の低音限界発声について 男性の最大声量とスペクトルの歌唱言語による違い 11 男性の身体共鳴周波数と共振支配による発声波形の量子化と声量の関係の解析   声帯振動と非声帯振動の比較と歌声 男性の超広帯域発声ーバスとテノール声区の連結 バスとテノール連結声区の声洞の物理サイズの計算)章

    1. 第1章 男声のサウンドスペクトラム的特質について
    2.  第2章 男声の特質ーその1; ビブラートの性質と倍数波による重層的和音と現代音階の不協和音について
    3. 第3章 男声の特質ーその2: 和声とビブラートについて
    4. 第4章 男声歌唱のオーディオ再生について
    5.  第5章 男声歌唱のレコーディングにおける留意点
    6. 第6章-歌唱発声における物理的・身体的要因-進化論的考察 
    7. 第8章 男声歌唱のレコーディングにおける留意点-その3:最大音量
    9.  第9章 男声の特質ー低音限界発声について
    10.  第10章ー最大音量とスペクトルの歌唱言語による違い 
    11  特別章ー男声の発する可聴周波数以下の超低音は聴こえるのか?
    12.  第12章 身体共鳴周波数と共振支配による発声波形の量子化と声量の関係の解析
    13.  第13章 声帯振動と非声帯振動の比較と歌声
    14.  第14章 男性の超広帯域発声ーバスとテノール声区の連結 14Bバスとテノール連結声区の声洞の物理サイズの計算

  3. 自然界の音響

    1. 夏の森のセミの喧騒の中に浮かび上がる夏のウグイスの声ーForest acoustics
    2. 春のウグイスの声と森の音響空間
    3.  森の歌集(CD)リスト

資料室-発声実験解説や音響実験データー理論的考察の解説   声の波形とサウンドスペクトル音響データ集

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